介護食品ってどんなもの? どこで買えるの?
1.介護食が必要な日本の高齢者
国民の4人の一人が高齢者の時代。多くの高齢者が食べることや飲みこむこともままならず、やわらかくて飲みこみやすい食べ物を食べています。
嚙み砕く力(そしゃく機能)が弱った方が普通の食べ物を無理に食べようとすると、食べ物が十分にそしゃくできずに喉を詰まらせて窒息することもあります。毎年お正月には高齢者が餅を喉に詰まらせて死亡する事故が多発することから介護施設では餅つき禁止令が出されることがあるくらいです。
また、食べ物を飲みこむ力(えんげ機能)が弱った方の場合は、飲みこんだ食べ物が間違って肺に入ってしまい、誤嚥性肺炎を引き起こすことがあります。肺炎はガンと脳血管疾患に次ぐ日本人の死亡原因の第3位、多くの高齢者が肺炎をきっかけに自立した生活からも重い介護状態に陥たり死亡に至ったりするケースが後を絶ちません。
さらに、高齢者の7割以上が急な身体機能低下につながる低栄養または低栄養状態の予備軍といわれています。そのうえ、日本の高齢者の大多数は高血圧、脂質異常症、糖尿病、腎臓病などの生活習慣病を患っていて、食品の成分にもひと際注意しなければなりません。
そのため、日本の高齢者のほとんどは、嚥下(えんげ)、咀嚼(そしゃく)と生活習慣病を考慮した特別な食事が必要ということになります。このような栄養管理を怠ると、持病の悪化による合併症を併発させたり、低栄養状態によって重い介護状態に陥りやすかったりと、寝たきり状態に向かってまっしぐらです。
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2.続けられる介護は、人とモノに頼ること。
日本人の平均健康寿命は、男性で71歳、女性は74歳です。日本人の平均寿命が男性で80歳、女性は87歳であることを考えると、男女平均12年の『不健康機関』があることが分かります。この不健康機関こそが介護期間なのです。12年、長いですね。
長い介護期間、介護をする側も介護を受ける側も、気構えてしまうと長続きできません。介護といっても今まで通りに食べて出して寝て笑って生きていくことには変わりありませんから、できなくなったことは人とモノに頼りながら息まずに流すべきです。
その為に頼るべきものの一つが、介護食品です。介護食は1980年代から日本の病院と老人ホームで開発が行われ、2000年以降ではキューピーやマルハニチロ、明治、ハウス食品、アサヒ食品、など、そうそうたる日本の大企業が介護食の商品化に取り組みました。その結果、今では1800種類を超える様々な介護食品が世に出ています。
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市場に出回っている介護食品は、やわらかくて栄養量の高いご飯から、ハンバーグやカレー、餃子に雑炊など、様々な介護食品があります。まだまだ介護食品は認知が広まっておらず売れ行きが好調ではありません。その結果、それぞれの介護食品はコンビニのレトルト食品よりもやや高めの値段になっています。しかし、介護食を作ってもお金はかかるもの。食材費や作る手間を考えれば、毎日の炊事に介護食品を上手に取り入れた方が、長い介護期間を乗り越えやすくなります。
3.介護食品はどんなもの? UDFとは?
介護食品とは、基本的にそしゃく機能に障害がある高齢者でも美味しく食べられるように商品の形状(やわらかさ)を調整したレトルトや冷凍などの商品を言います。コンビニではレトルトのカレーや、ふっくらサバの味噌煮、卵焼きなど、普段の食事に便利に利用できる商品が並びます。この食品の介護版が介護食品なのです。まだまだ介護食品をおいてあるコンビニやスーパーの少ないですが、介護食メーカーの働きもあって2017年を元年に介護食品の普及は広まることと予想しています。
この介護食の一番の特徴は、やわらかさを4段階に区分するUDF基準を採用していること。
この4つの基準に沿ったUDFマークがあるので、食べる人に合わせた介護食品選びができます。農林水産省や栄養士会などでも独自の介護食表示基準を設けていますが、2017年現在ではUDFが最も一般に広まっています。
(左上:キューピーの肉じゃが、右上:WAKODOのホタテ雑炊、左下:マルハニチロの餃子ムース、右下:WAKODOの鮭のクリーム煮)
▲レトルト介護食品(区分3:舌でつぶせる)の一例
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4.介護食品はどこで買えるの?
介護食品はまだまだ広く普及しておらず、コンビニでお弁当を買うようには買えません。しかし意外と近所に売っているところがあったりします。その情報をかき集めているサイトがあるので紹介します。
食べるを支える ◀ 介護食品を販売している全国の店舗情報が検索できるサイト
介護食品は日々進化を繰り返し、最近では非常においしくなっています。風邪を引いて喉が腫れて痛いときなども個人的には非常に利用したいくらいです。毎日の毎食を介護食品に代用することは多くの過程で非現実的ではありますが、適度に介護食品を利用したアレンジ介護食や、おやつを利用することで難しい高齢者の栄養管理が容易になります。介護食品に頼りましょう。