高齢者介護のあれこれ

介護相談員の在宅介護ガイド

75歳になると医療費が3割負担にあがる?!後期高齢者の医療費負担について。

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1.75歳から対象になる後期高齢者医療制度

 

平成20年4月から開始した『後期高齢者医療制度』、75歳(寝たきり等の一定の障害がある場合は65歳)以上の方が加入する独立した医療制度で、対象となる高齢者は個人単位で保険料を支払います。

 

『後期高齢者医療制度』は、若い世代よりも医療費を多く利用する後期高齢者の自己負担割合を増やすことで世代間の不平等感を解消しようと思って作られたものです。一定の経済力がある後期高齢者の場合は医療費の自己負担金額を多く出してもらおうといった制度です。

 

75歳になられた方は、それまでに加入していた医療保険(国保・健康保険・共済など)から、自動的に後期高齢者医療制度の対象者(被保険者)になりますので、制度の加入手続きは不要です。後期高齢者医療制度の対象者には1人に1枚の保険証が交付され、保険証のは医療費の自己負担の割合(1割または3割)が記載されています。

 

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▲後期高齢者医療医療被保険者証例(見本)

 

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2.複雑な医療保険制度、結局わたしは1割負担? 3割負担?

医療保険自己負担金が1割から3割に上がると実に3倍の出費になります。頻繁に医者にかかる高齢者にとっては負担が小さなものではありません。医療保険制度は複雑ですが、簡単な基準に基づいて『わたしは1割負担? 3割負担?』をチェックしましょう。

 

1割負担の方

 

[世帯内に後期高齢者が1人(独居老人など)]

・年間所得(住民票課税所得)が383万円未満の方

 

[世帯内に後期高齢者が2人(夫婦ともに75歳以上)]

・夫婦の年間所得合計が520万円未満の方

 

3割負担の方

 

[世帯内に後期高齢者が1人(独居老人など)]

・年間所得(住民票課税所得)が383万円以上の方

 

[世帯内に後期高齢者が2人(夫婦ともに75歳以上)]

・夫婦の年間所得合計が520万円以上の方

 

以上は後期高齢者医療制度を簡素化したまとめた判定基準です。この基準に適さなくても医療保険の自己負担率が1割になったり、3割になったりする場合がありますので医療費に不安がある方はお住いの市区町村の後期高齢者医療制度担当窓口に相談してみてください。

 

3.医療保険と介護保険の自己負担合算額の限度額もしっかりと設けられている

 

介護が必要な高齢者は、普段から介護保険自己負担と医療保険の自己負担分がダブルでかかってきます。医療保険同様に介護保険も自己負担額が最大3割にまで増額されていくので、今後の高齢者介護の金銭的負担は増す一方です。そのために国は『高額介護合算療養費』制度を設けて高齢者介護&医療費用の負担の軽減を図っています。こちらの制度でも、年間の自己負担限度額を超えたときには申請によって払い戻されます。

 

1割負担の方の年間自己負担限度額

[一般の方]年間56万円(月間 約4万6600円)

[経済援助が必要な方]年間19万円~31万円

 

3割負担の方の年間自己負担限度額

[現役並み所得の方]年間67万円(月間 約5万5800円)

 

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4.年々増えていく高齢者の医療と介護の自己負担、迷わずに役所に相談しましょう。

 

国の方針は『入院せず在宅療養』、『国の保険に頼らず、自分の金と周りの人に頼る』。

国の財政を考えればやむを得ないことでもありますが、結果的に高齢者の経済的負担は増える一方です。一般に年金収入以外の収入源のない高齢者には医療と介護の自己負担額が増えることは、生きていくための最低限の金が確保できない状況も生み出しています。しかし国は本当に困っている人のために様々な制度を設けているので、日々の医療費と介護費に悩むものなら一度お住いの市区町村の窓口で相談してみることをお勧めします