高齢者介護のあれこれ

介護相談員の在宅介護ガイド

有料老人ホーム、結局1か月にいくらかかるの?

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1.老人ホーム入居の費用は千差万別

 

入居金0円、月額13万円の老人ホームもあれば、入居金3億越え、月額40万円の施設まで、老人ホームといえども千差万別です。設備とサービスで快適な環境を提供する老人ホームは、入居金が700~1000万円程度、月額20~25万円程度のところが多いです。

 

しかし、高い老人ホームが素敵なのは当然のこと。同時に安くていい老人ホームは望めないものです。老人ホームの費用が安いところだと、当然人員体制が手薄になったり、食材費が削られてしまったりします。入居者一人ひとりに合わせたきめ細かな対応も難しくなります。

 

そんな中でもコストパフォーマンスの高い老人ホームを探すとなると「介護付き有料老人ホーム」がよい選択肢になることでしょう。介護付き有料老人ホームは、国が定めた人員基準(入居者3名に対して有資格者のスタッフ1名以上)や部屋の広さ(居室の広さ18平米以上)を満たしているため、ある程度安心できる基準になります。

 

だ、「介護付き」という言葉にとらわれるのも禁物。施設名に「介護付き」とついているのは単なる行政上の区分であって、「住宅型有料老人ホーム」でも介護付き有料老人ホームと全く変わりのない介護、医療体制の老人ホームも多いです。場合によっては介護付き有料老人ホームよりも住宅型有料老人ホームのほうが介護保険を柔軟に利用できる場合もあって、同じ費用でも住宅型有料老人ホームのほうがより快適な介護サービスが受けられる場合もあるので一概に言えないことがあります。そのため、この部分に関しては老人ホームの見学時に詳しく聞いてみることをお勧めします。

 

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2.‘コスパのよい有料老人ホーム’ の入居費用は?

 

老人ホームの入居費用は、入居金と月額費用に分けられます。

高級な老人ホームに入れば全ての設備とサービスが優れていることでしょう。しかし誰しもが高級老人ホームに入れないもの。幸せな老後を過ごすための基本的な設備とサービスを全て備えた、コスパのよい老人ホームの入居金は200万円から500万円の間が多く、月額費用は13万円から18万円の間が多いです。そして、都市部は入居金と月額が地方よりも30%くらい高いことが多いです。

 

(入居金は大体5年で均等に償却されていき、5年ですべてなくなります。5年後に継続して入居しても再度入居金を納めることはありません。これは老人ホームの平均入居年齢が86歳で、大体5年以内にご逝去または入院で退去される想定で料金プランが作られているからです。ご入居後に5年を超過して老人ホームに入居できそうな方はまとまった入居金を払った方が断然お得です。)

 

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3.それで結局、月々の費用はどれくらい?

 

それでは、結局老人ホームに入居するにはいくらかかるの? といった疑問について考えてみましょう。入居金150万円、月額15万4000円のベストライフ川口東のケースです。

 

入居金は入居時に1回で払い、月額15万4000円を毎月払います。月額の15万4000円には個室の賃料、共有施設の利用料、食費などが含まれています。しかし、介護費と医療費が含まれていないです!

 

介護と医療はそれぞれ介護保険と医療保険の対象になりますが、その1割は自己負担として払わなければいけません。基本的に年間160万円以上の収入がある場合は介護保険の自己負担率が最大2割に(2018年度の改正で3割に)なります。

老人ホームでは基本的に介護保険の上限満額まで介護サービスを提供するため、以下のような自己負担になります。

 

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この表をみると自己負担率が1割負担の方でも要介護1で1万6692円がかかることは分かります。毎月の月額15万4000円に、この1万6692円が上乗せされるのです。そのうえで、毎月の医療費の1割負担、外出時の小遣い、場合によってオムツなどの費用も考慮しなければなりません。

そうなると合計金額は月額約19万円になります。この19万円が老人ホームに入居したときにかかる実費なのです。

 

もし入居予定者の介護度が要介護3なら月額約20万円要介護5なら21~22万円が目安になります。しかも年間160万円以上の収入があって自己負担額が2割の場合は、要介護1でも月額費用が約20~21万円が毎月かかります。

 

また、介護保険の自己負担額は対象者の経済状況によって後から払い戻されることがあり、基本的に3万7200円を超す月々の介護保険自己負担額は後から払い戻されます

 

【自己負担額の上限額が1万5000円の方】

・生活保護受給者の方

・老齢福祉年金受給者で、世帯全員が非課税の方

・世帯全員が住民税非課税で、年金収入が80万円以下の方

 

【自己負担額の上限額が2万4600円の方】

・世帯全員が住民税非課税で、生活保護などに該当しない方

 

【自己負担額の上限額が3万7200円の方】

・住民税世帯課税の方     37,200円

 

4.老人ホーム入居は、今の状況をしっかりと考慮して後悔のない選択にしましょう。

 

老人ホームへの入居は、人生最後のいちばん高い買い物です。入居後の生活を考え、入居金型契約を結ぶか、月額のみの契約を結ぶか慎重に決める必要があります。また、老人ホームに入居して実際にかかる毎月の費用を確かめて無理のない計画を立てることが大事です。人気の老人ホームは急に入ろうとしても空きがないことが多いので、元気なうちから老人ホーム入居を検討し、見学をしておくことを強くお勧めします。